考える冒険

※「信ずることと、知ること。」から引っ越してきました。

読書

運命/宿命/業~『流転の海』に寄せて

こんにちは。 私(たち)は現在、宮本輝さんの大作『流転の海』シリーズ全9部を読書会で読み進めていて、つい先だって第5部『花の回廊』が読了できたところです。 ご参加くださっている方々が、12月26日(火)より、第1部『流転の海』についての「輪読会」を…

【読書メモ】岩波ジュニア新書『扉を開く哲学』目次

扉をひらく哲学 人生の鍵は古典のなかにある (岩波ジュニア新書 968) 作者:中島 隆博,梶原 三恵子,納富 信留,吉水 千鶴子 岩波書店 Amazon こんにちは。 23/11/07(火)から上掲著を読み始めました。読書にあたっての一助となるように、以下に目次を書き記し…

【読書会】三木那由他『会話を哲学する』を予習する①

会話を哲学する~コミュニケーションとマニピュレーション~ (光文社新書) 作者:三木 那由他 光文社 Amazon こんにちは。 23/10/14(土)から開いてくださる、『会話を哲学する』(三木那由他)の読書会に参加させていただこうと考えています。そこで、その…

若松英輔『光であることば』刊行記念イベント

こんにちは。 2023/08/24(木)、代官山蔦屋書店で行われた対談イベントに参加する機会を得ました。対談者は、批評家・詩人の若松英輔さんと、Eテレ「100分de名著」プロデューサー秋満吉彦さんのお二人です。今回は、イベントについての「メモ」をお伝えした…

【読中記】若松英輔『光であることば』~②

こんにちは。 今回も、若松英輔さんの『光であることば』からの引用をお届けします。今日は、第9節「感じるものの彼方へ」(ノヴァーリスと志村ふくみの節)を扱います。 光であることば 作者:若松英輔 小学館 Amazon 希望は目に見えない。しかし、私たちは…

【読中記】若松英輔『光であることば』~①

こんにちは。 これから先、読中メモを書く感覚で、思いついたことを書き散らしていこうと考えて、「読中記」というカテゴリーを新設してみました。その第一弾は、若松英輔さんの最新刊『光であることば』です。 光であることば 作者:若松英輔 小学館 Amazon …

【ある視点】宮本輝『流転の海』をめぐって

こんにちは。 私はDiscordというコミュニケーションアプリを使ったオンライン読書会を主催しています。この会は、月2回の月曜日20:30からの120分前後の語らいの場としています。現在の参加者は3~5名ほどですが、毎回充実した話し合いが持たれていると自負…

本を読めなかったぼくが、もう一度読めるようになったのは?

こんにちは。 「ネット心理教育」さんという Twitterアカウント があります。そちらが配信していたYouTube動画を、関心を持って拝見いたしました。こちらです。 ↓↓↓ www.youtube.com 事前のアンケート結果で、「双極性障害」を発症してから本を読めなくなっ…

『流転の海』シリーズ小考~松坂熊吾=鳩摩羅什!?

こんにちは。 少ない人数ではありますが、ぼく「たち」は宮本輝さんの大河小説『流転の海』シリーズ全9部を読書会で完読しようとしています。現在第4部『天の夜曲』まで読み進めており、この巻もあと2章なので7月中には完結しそうです。8月の1回目(8月7日を…

【読了】頭木弘樹『自分疲れ』

こんにちは。 創刊時から注目していたシリーズ「あいだで考える」(創元社)の第一弾として刊行されていた、頭木弘樹さんの『自分疲れ』を読了しました。「10代以上すべての人に」と銘打たれている本シリーズは、若い人にも手にしてもらえることを意識した造…

100分de名著テキスト『福音書』を読みながら・まとめ~ユダと提婆達多をめぐって

こんにちは。 ぼくがEテレ「100分de名著」を見るようになってからは、既に数年が経っていて、clubhouseで「100分de名著を語ろう」というルームを開くようになってからでも、もう2年が経ちました。その間、一貫してぼくを啓発してくださっていたのが、若松英…

100分de名著テキスト『福音書』を読みながら②への追記 ~「同苦」をめぐって~

NHK 100分 de 名著 新約聖書 福音書 2023年 4月 [雑誌] (NHKテキスト) NHK出版 Amazon こんにちは。 先ほど、今晩(23/04/20)のclubhouseルーム「100分de名著を語ろう」のためのレジュメを公開したところです。下線がある部分にリンクが埋め込…

100分de名著テキスト『福音書』を読みながら②

こんにちは。 昨日(23/04/17)、Eテレ「100分de名著」をオンタイムで視聴しました。若松英輔さんがナビゲートする「福音書」の3回目の放送で、サブタイトルは「祈りという営み、ゆるしという営み」。前回の放送にも増して学ぶところが多く、感動を禁じ得ま…

100分de名著テキスト『福音書』を読みながら

こんにちは。 今月(23/04)のEテレ「100分de名著」は『新約聖書』の福音書がテキストで、担当講師は若松英輔さんです。これはまだ前半の2回を見て読んだだけなのですが、ぼくが奉じている日蓮仏法とも、著しく共鳴しているので、ちょとそれを書いてみようと…

『高校生からわかる社会科学の基礎知識』~(5)第2章 近代法③

こんにちは。 なかなか思うようには進められない『基礎知識』ですが、今回は「第2章 近代法」の3回目として、 8 西欧政治の流れ 近代憲法の確立過程と、9 憲法 とを中心として扱います。おつき合いくださいますと幸いです。 8 西欧政治の流れ 近代憲法の確立…

『高校生からわかる社会科学の基礎知識』~(4)第2章 近代法②

こんにちは。 『高校生からわかる社会科学の基礎知識』第2章「近代法」の半ば部分(6~7)について概括いたします。前半(1~5)については、以下をご参照ください。 mori-to-seiza.hatenablog.jp INDEX 6.英米法 1.コモンロー 2.判例法を積み重ねる法体…

『高校生からわかる社会科学の基礎知識』~(3)第2章 近代法①

こんにちは。 だいぶ間が空きましたが、『高校生からわかる社会科学の基礎知識』第2章についての記事をお届けします。以下に「INDEX」の一部を掲げました。全11節中の、1~5節について確認いたします。6~11節は、原則として次の機会に一括して書くこととい…

【読了日記】岩波ジュニア新書『10代が考えるウクライナ戦争』を読んで

こんにちは。 岩波ジュニア新書『10代が考えるウクライナ戦争』を読了しましたので、簡単にコメントを残しておきたいと思います。 この本は、5つの中高で行われた座談・討論を中心として、奈倉有里さん、池上彰さんの寄稿、及びキーワード集、地図、年表、ブ…

『高校生からわかる社会科学の基礎知識』~(2)第1章 近代科学

こんにちは。 今回も『基礎知識』について検討を加えて行こうと思います。まずは、第1章で扱われている項目を把握するために、「見出し」に注目してみます。 科学の成り立ち 宗教色の濃い世界 中世の西欧は暗黒時代か 古代文化の再生 科学は人々の営みの連な…

『高校生からわかる社会科学の基礎知識』~(1)「まえがき」と「序章」から

こんにちは。 まだどうするか決めあぐねているのですが、大塚久雄さんの『社会科学における人間』(以下,、『人間』)の第3部(ウェーバーの宗教社会学編)と、酒井峻一さんの『高校生からわかる社会科学の基礎知識』(以下、『基礎知識』)について、いまは…

【参考】高校生からわかる社会科学の基礎知識(酒井峻一)

こんにちは。 ひとつ前の記事で紹介した、酒井峻一さんの『高校生からわかる社会科学の基礎知識』について、目次をお届けいたします。できれば、入手いただいた何人かと、佳き日を選んでオンラインで講読会を開きたいと考えています。ご賛同いただける方は、…

大塚久雄『社会科学における人間』(3)マルクスの経済学における人間②

こんにちは。 今回の記述で、大塚久雄『社会科学における人間』の第2編「マルクスの経済学における人間」を完結させる予定です。その後については、「ウェーバー(本文中ではヴェーバー」ですが)の社会学における人間」に直進せずに、以下に掲げる本を何人…

【中休み】何で『社会科学における人間』にこだわり続けているのか?

こんにちは。 このブログを2月26日に新設したところ、しばらく懸案として置いておいた大塚久雄さんの『社会科学における人間』についての考察が、自分の中で流れ始めました。また、昨夜遅くのネット通話で、この本を最初に読んだ1982年以来、40年の長きにわ…

大塚久雄『社会科学における人間』(2)~マルクスの経済学における人間①

こんにちは。 今回も引き続き、大塚久雄さんの『社会科学における人間』について取り扱います。おそらくは、第2部にあたる「マルクスの経済学における人間」を2回程度に分けて書いてみることになろうと思います。 前にこの本を取り上げようとした際、この部…

大塚久雄『社会科学における人間』(1)~「ロビンソン物語」に見られる人間類型

こんにちは。 今回から大塚久雄さんの『社会科学における人間』(岩波新書)の本論についてご紹介してまいります。すでに書いているつもりですが、ぼくはこの一連のブログ記事でしたいと思っているのは、「名刺代わりの10冊」についてのご紹介をしたいという…

大塚久雄『社会科学における人間』(0)への追補

こんにちは。 先に書いた「大塚久雄『社会科学における人間』(0)」について、一度追記をした上で再公開しているのですが、ご質問等を頂戴しましたので、さらに追記をいたします。本編に入るのは、次回以降のUpとなりそうです。ご了承ください。 今回は、 1…

大塚久雄『社会科学における人間』(0)

こんにちは。 昨年(2022年)の10月ごろでしょうか、「#しおりを挟む」という企画を思い立ちました。これは、ぼくの「名刺代わりの10冊」について語ることを口実として、ぼく自身について語ろうという企画でした。しかしながら、2冊めに取り上げようとした大…