考える冒険

※「信ずることと、知ること。」から引っ越してきました。

映画『教育と愛国』を見ました②

こんにちは。

先日、ひかりTVを通じて映画『教育と愛国』を鑑賞したとの記事①を、以下の通り書きました。

 

mori-to-seiza.hatenablog.jp

 

主な内容として、以下の3点を書きました。

  • 日本国憲法の条文から
  • 教育の「内容」を決めるのは誰なのか
  • 教育を取り戻す

前回は、教育の主体者は一人ひとりの国民であって、国の側ではないことについて書いたつもりです。そこで考えなければならないのは、教育を「わたしたち」の手に「取り戻す」という点であるといたしました。

引き続き今回は、

  • 教育を取り戻す(続き)
  • 四権分立構想
  • まとめ

について書いていきたいと考えています。よろしくお願いいたします。

教育を取り戻す(続き)

歴史的に見た場合、学校教育が充実していくことこそが、歴史の「進展」であり「前進」であったと考えられていたように思います。しかし、学校教育「制度」を整えてきたことと取引きをするかのように、教育はその自由度を失ってきていると思われるのです。

例えば、教科書の無償化制度は、教科書検定と広域採択制を招き寄せ、検定という「介入」を許してしまったのではないかと考えています。これを一気に覆すことは難しいでしょうが、ではその教科書の採用を誰が決めるのか、その「誰」を誰がその権限において任命・指名するのか。それは明らかにしておいた方がよいと思います。こうしたことを起点として、私たちが教育の自主性や主体性について、いかに毀損されているのかが明らかになってくると思います。

しかし、それらはあくまでも起点です。より根本的には「公教育」を相対化することこそが肝要なのではなかろうかと考えます。つまり、「私教育」の復権こそが、教育の「再生」の力となり得るのではないかと思うのです。ほぼ学校という装置に回収され尽くしている公教育「だけ」が教育なのではない。こうした視点を持つことが肝要です。まだ別の「あり得る」教育の姿をそこから構想していけると思われます。

より具体的に言おうとすると、すなわち家庭教育や私教師などの要因を強化することです。しかし、それは同時に「不平等」を招きこまないことが必要だと思うのです。つまり、公的な扶助を取り入れることが必要だろうと思っています。

四権分立構想

次に考えてみたいのは、「国権」としての「教育権」の独立・確立ということです。これは、さる宗教指導者が提言していることで、聞きかじりでしかありません。おそらくは、従来の三権(=立法・司法・行政)から、相対的に独立させるということ、とりわけ機関としての行政権力から「解放」させることを表現している、その象徴として述べられているのだろうと考えています。

前段まででも述べているように、私たちは「プロ」としての学校に、教育を委ね過ぎていると思うのです。そこでは、学校教育の担当者であり、責任者としての行政権力が、ある意味で専横と言っていいほどの勘違いした振る舞いをしている。それを「相対化」するのには、こうした構想も有効なのではないかと考えています。どこかに過度に集中させるのではなくて、適度に分散させ、それらの間での緊張とバランスを保つこと。そこに、親や家庭、そして子どもが、教育の「主体者」として関わり、参与していく可能性を模索し、開いていくことが可能であり、大切なのだと考えています。

まとめとして

しかしながら、教育については、「劇的」で「急進的」な改革を急いではならないと考えます。ある世代が受けた教育の結果や成果が問われるのは、20年後、30年後であるからです。その意味では、教育はあまり、そしてコロコロとは変えたり弄ったりしない方がよいと思うのです。

最も肝心なことは、敢えて言えば「自己教育」が、いつ・どこ・誰でも、継続的に可能であるような社会を構想することでしょう。言わば、社会を継続させるための教育、つまり、「社会のための教育」から、教育そのことが目的であるような、「教育のための社会」への転換を果たし行くことが望ましいのではないかと思います。自分が自分を啓蒙し続けること、教育し続けること。それが可能であるような働き方や休み方を実現しようとすること。そうしたことが、教育をテコの支点とした社会全体の民主化を促すだろうと考えています・

          *       *       *

今回は、2回にわたって、考えていながらもなかなか言語化してこれなかったことがまとまりました。もちろん、噴飯的に稚拙なものではありますが、これを契機として、今後もブラッシュアップをしていこうと思っています。お読みくださり、ありがとうございました。

最後に、映画『教育と愛国』は出版化されていることも書き添えておきたいと思います。映画の内容に追記が施されているようなので、機を捉えて読んでみようと思っています。