考える冒険

※「信ずることと、知ること。」から引っ越してきました。

【マチナカ読書会】生きづらい明治社会~①はじめに

こんにちは。

今回から、松沢裕作さんの『生きづらい明治社会』(岩波ジュニア新書)についての記事を分けて書き、5月28日(日)開催の会の準備としたいと思います。今回は、「はじめに」を概括していきます。

 

 

裏表紙のまとめから

日本が近代化に向けて大きな一歩を踏み出した明治時代は実はとても厳しい社会でした。景気の急激な変動、出世競争、貧困・・・。さまざまな困難と向き合いながら、人々はこの時代をどう生きたのでしょうか? 不安と競争をキーワードに、明治という社会を読み解きます。

はじめに

  • 明治時代=大きな変化の時代
  • 「ただ、私には、これまで明治時代の歴史を研究してきて感じることが一つあります。それはこのような大きな変化の時代の、そのさなかに自分が生きていたら、とてもふあんだったろうということです」(松沢。以下。「 」で括った部分は松沢氏の言)。
  • 「そんな私にも、この現代の片隅に生きる一人の人間としての希望はあります。それは必死で努力し、命がけでチャレンジしなくても、みんながなんとか平穏無事に生きていけるような方向に、社会は向かっていってほしいということです」
  • 「私がこの本のなかでこれから述べることは、不安のなかを生きた明治時代の人たちは、ある種の「わな」にはまってしまったということです(略)みんなが不安だとみんながやたらとがんばりだすので(略)ますますがんばってしまったりします」
  • 「なぜ明治の人びとはこんな「わな」にはまってしまったのかを考えてみたいと思います」

          *       *       *

ぼくがこの著作を読もうと思ったのには、少なくとも2つの理由があります。1つは、信頼している予備校の現代文講師の方が、この本を「激賞」されていたことです。

もう一つは、他の方が主催されていた読書会でテキストとして紹介いただいた著作(『女を書けない文豪(オトコ)たち』)の社会背景が書かれているかもしれないという予感です。この本では、漱石の『こころ』も取り上げられていたのですが、漱石や『こころ』については、姜尚中さんが『悩む力』やEテレ「100分de名著」等で話題にされていました。こうしたことがあって、この著作をテキストとしてみなさんと「共読」してみたいと考えたのです。

明治という時代をどうとらえるのか、実はそれをきちんと話し合う機会は少ないのではないかと思います。人気のある歴史作家の作品では「輝かしい明治維新」として、「停滞した江戸時代」と対比するような描かれ方さえしています。しかし、その内実をぼくはよく知らない。この機会に、みなさんと知見を深めていきたいと考えています。5月28日(日)のご参加の有無だけでなくとも、Discordサーバでも議論は可能ですので、話の輪に加わってやっていただけると幸いです。お問い合わせは、Twitterアカウント@Showji_S または、サイドバーの「マシュマロ」等からなさってください。追ってご連絡いたします。どうぞご検討ください。

本日は最後までお読みいただき、ありがとうございました。それではまた!